管理組合のハウツー

マンション管理に関する法律

マンション管理に関する法律を知る

みなさんがお住まいの分譲マンションの歴史は、戦後8年の1953年からとされています。

戦災復興から高度経済成長期のまっただ中で、急速に発展してきた新しい住まいのカタチとして今日まで供給が続いてきました。その歴史はたかだか100年未満、100年、200年とこれから歴史をつむいでいくために、国ではさまざまな法律を制定しています。

ここでは、マンション管理をとりまく法律についてご紹介します。

区分所有法

区分所有法は、1962年に制定された分譲マンションの各住戸の所有者を対象にした法律です。マンションは複数の所有者がいるため、所有関係や建物・敷地の共同管理について定めています。

たとえば、それぞれの所有者が暮らしを営む住戸部分のほかに、建物の躯体、外壁、エントランス、廊下、エレベーター、敷地、駐車場、駐輪場などのように、区分所有者が共有して使用する部分があるため、その所有関係をどのようにするかが記されています。

制定時には、マンション内における大規模修繕工事は、区分所有者全員の賛成がないと実施できなかったのですが、計画修繕の必要性が浮上してきたことから、2002年に1/2以上の賛成で実施できるように改正されました。

制定当時には、経年することで建物が劣化し、暮らしに不便が生じる・・。だから定期的に修繕をしていくという当たり前のことも、なおざりにされていたわけです。それほど、日本における分譲マンションの歴史は浅いということがいえます。

ちなみに、区分所有法は正式には「建物の区分所有等に関する法律」といい、別名では「マンション法」と呼ばれることもあります。

マンション管理適正化法

区分所有法の制定から38年。マンションはどんどん一般・大衆化していきました。

その間、区分所有法は改定を続けてきましたが、都心部を中心にマンションが劇的に増え、それに比例してマンション管理をめぐる様々なトラブルが多発。とりわけ多かったのが管理組合と管理会社間のトラブルでした。

というのも、区分所有法は管理組合の運営についてを示した法律であり「管理会社」についてはとくに規定がありませんでした。そこで、区分所有法を補填するかたちで2000年に制定されたのが「マンション管理適正化法」です。

マンション管理適正化法では、マンション管理の基本ルールと、管理組合・管理会社の三者それぞれの責任を明確にしています。管理会社については、マンション管理業者の登録や管理業務主任者の設置、管理委託契約の重要事項説明などが義務づけられました。

また、管理組合や住民が管理会社以外で相談したり、アドバイスを求めるための専門家として「マンション管理士」という国家資格制度を創設しています。

マンション管理・運営の主体は、あくまで管理組合ですが、いってしまえば一般住民の集まり。管理組合だけでマンションを管理・運営するのは技術的・時間的に厳しいものです。

ですが、自分たちのマンションの資産価値を守り、快適な住環境が確保できるようにするためには、管理会社にすべてを任せるのは正しいこととはいえない—。国は、そのことも示唆しているのだと思います。

ちなみに、マンション管理適正化法は正式には「マンション管理の適正化の推進に関する法律」といい、略称では「適正化法」と呼ばれています。

マンション建替え円滑化法

2002年には「マンション建替え円滑化法」が制定されました。

この法律では、管理組合内で法人格のある「マンション建替組合」を設立できることを示し、設立したマンション建替組合の運営から意思決定のルール、マンションの担保権や借家権を再建マンションに移行させることなどが定められています。

マンション建替え円滑化法は2014年に改定がありました。1981年以前の旧耐震基準で建設されたマンションが100万戸以上もある一方で、実際に行われた建替えは180件程度にとどまっており、耐震性不足のマンションの耐震化をさらに促進する必要があると考えられたためです。

改定後、耐震性不足の認定を受けたマンションについては、区分所有者の4/5以上の賛成で、マンションおよびその敷地の売却を行う旨を決議できるようになりました。また、同様に大規模な耐震改修をおこなう場合の決議数が、3/4から過半数に引き下げられ、耐震改修工事が進めやすくなりました。

ですが、都心の駅に近い立地のマンションをのぞけば、少ない資金で建替えができるような物件は少ないと考えられます。建替えに固執せず、耐震改修なども含めて幅広い選択肢を検討すべきです。

私たち彩の国マンション管理センターのような専門機関を使って、さまざまな情報を収集しながら、できるだけ多くの区分所有者が納得のいくような形でマンションの活性や再生をはかってほしい思います。