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総会開催に必要な3つの準備

総会は、管理組合の意思決定のために、必ず1年に1回以上は開催しなくてはなりません。総会では、管理組合の予算など、マンションに関わる重要事項の決議を採る場です。したがって、円滑な開催のために、しっかりとした準備が必要となります。ここでは、スムーズな総会開催のために必要な3つの準備をご紹介します。

【準備1】日程調整と会場手配

まずは総会の開催日と開催場所を決定しましょう。

標準管理規約第42条によると、管理組合の総会は「毎年1回新会計年度開始以後2ヵ月以内に召集しなければならない」とされています。一般的には毎年4月1日〜3月31日が会計年度となりますので、その場合、5月31日までに開催する必要があります。その期間の中で、できるだけ多くの区分所有者が集まることができる日程を調整するようにしましょう。

開催場所については特に規定はありません。多くのマンションでは、敷地内の集会室などで開催します。

【準備2】開催通知の作成

開催日と場所が決定したら、次は開催通知を作成し、各区分所有者に対して発送します。開催通知に同封するものは次の4つです。

  • 出席届(総会への出欠の意思を表明するもの)
  • 委任状(議案に対する賛否を代理人に委ねるためのもの)
  • 議決権行使書(事前に知らされていた議案に対して賛否を記載するもの)
  • 議案書(議題の内容を記載したもの)

この開催通知は、総会開催日の2週間前(少なくとも1週間前)までに、各区分所有者に対して発送しなくてはなりません。なお、開催通知は理事が作成してもいいですし、管理会社などに依頼してもよいです。

【準備3】議案の作成

そして最も重要なのが「議案」を作成することです。議案には、次の4つを必ず入れる必要があります。

  • 決算と予算案
  • 事業報告と事業計画
  • 役員の選任
  • 管理委託契約の締結

これらは管理組合の次の1年間の活動を左右する重要なものです。各議案を作成する際には、担当者ごとにまとめた上で、理事会で内容の確認をしておくと、スムーズに進行することができるでしょう。

この4つの議案以外に、独立した議案(例えばマンション施設の改修や、細則の制定など)が必要な場合、これも担当者ごとに取りまとめ、事前に理事会で内容の確認・決議をしておきましょう。

ちなみに総会では、事前に通知した議案しか決議できません。総会当日に追加議案を出すことは、原則不可能です。したがって、区分所有者の決議を採る必要がある議案に抜け漏れがないよう、十分に注意し、確認しながら進めていきましょう。