大規模修繕のAtoZ

修繕委員会の立ち上げと役割

修繕委員会の立ち上げ

管理組合の理事は、たいていが1〜2年ごとに変わる輪番制をとっています。大規模修繕工事は、準備段階から竣工まで2年程度、規模の大きなマンションや団地の場合だと4年近くかかることもあり、1〜2年で交代してしまう理事が担当するのは非効率といえます。そもそも、理事の業務で忙しいなかに、大規模修繕という「事業」にも対応するのは困難ということもあり、大規模修繕工事をはじめとした計画修繕を専門で担当する「修繕委員会」を設置する組合が多くなってきています。

また、これから数十年にわたってマンションを維持していく上で、継続的に建物の状態をチェックし、一貫した方針のもとで計画修繕を実行していく必要があります。そういった長期的な目線から見ても、修繕委員会の設置はもはや必須といえます。

修繕委員会のメンバー構成

修繕委員は、マンションの規模にかかわらず5〜7人程度で構成し、そのうち1〜2人は理事と兼任してもらうのがよいとされています。理事会との進捗共有や意見交換をスムーズするためです。

また、建築や設備の知識がある人のほか、日中のマンションの状況や環境を知っている主婦の人など、さまざまな視点を取り入れられる構成にするのがおすすめです。

なお、施工会社の社員など、工事によって利害関係が発生しそうなメンバーがいる場合、業者選定には関与しないなどの決まりをあらかじめ作っておくという方法もあります。

修繕委員の役割

修繕委員会のおもな役割は、大規模修繕コンサルタントの選定から建物診断・調査の立会い、工事内容の提案、施工業者の選定、工事説明会の実施、工事中の打ち合わせや進捗管理など多岐にわたります。

ですが、修繕委員会はあくまで「理事会から依頼を受けて」修繕に関する調査・検討を行ったり、進め方を提案する「諮問機関」という位置づけで、決定権は理事会にあります。