マンションの躯体(建物)や設備は各パーツごとに耐用年数が異なり、修繕周期も違ってきます。だからといって、耐用年数が切れるごとに工事をおこなっていたのでは、ふだんの暮らしに大きく影響が出てしまう上、費用もかさんでしまいます。そこで、ばらついた修繕周期をできるだけ大規模修繕工事のサイクルに乗せ、居住者と費用の負担を軽くする必要があります。
大規模修繕工事は、12年に1度の周期で計画が立てられていることがほとんどです。それは、国土交通省が発表しているガイドラインに「めやす」として記載されているからです。ですが、建物の劣化状況は立地や環境、さらには施工品質によって左右されるもの。よそのマンションが12年後でも、あなたのマンションは10年後、あるいは15年後かもしれません。
12年周期で大規模修繕工事をおこなう計画になっていたとしても、必ず建物診断を実施し、いまの建物の劣化状況をしっかり把握することが大切です。劣化状況によっては、修繕周期を引き延ばすことができるかもしれません。
たとえば3年引き延ばすことができれば、このように長期的に見ると大規模修繕工事の回数が減ります。
減ってコストが浮いた分、計画修繕に含まれていないサッシや窓、玄関扉の交換や新しい設備の導入などの費用に充てることができるようになります。築年数の浅い時期から修繕周期の見直しと、それに沿った計画修繕の再検討が必要です。